敷金返還でよくあるトラブルと回避方法

必要以上の原状回復は必要なし

賃貸住宅に住んでいる場合、引越しの際には敷金を返還してもらうことになります。
この敷金の返還が、トラブルの元になることが少なくありませんので注意が必要です。

賃貸住宅の入居者は、家を原状回復して退去する必要があります。
ところがこの「原状回復」の意味を「新品同様」と勘違いしている人が少なくありません。
原状回復は、新品同様とはまったくちがいますので注意が必要です。

家は通常使用していても、時間が経つにつれて汚れたり傷が付いたりしてきます。
通常使用の範囲内で付いた汚れは傷は、退去時に落とす必要はありません。

原状回復が意味するのは、入居者の過失により家の一部を壊してしまったり、
エアコンを取り付けするために壁に穴を開けたりした場合、それを元通りにすることです。
通常仕様で付いた汚れや傷を落とすことではありません。

家を原状回復させるために必要なのは、次のようなことです。

すべてを入居した時と同じようにピカピカに磨き上げる必要はありません。

元々付いていなかったエアコンを設置した場合には、それを撤去し、
壁に穴を開ければそれをふさいでおく必要があります。
ただエアコンは大家さんにとってもメリットになることが多いため、
事前に相談するといいかもしれません。

家の中に不用品やゴミなどが一切残っていないようにする必要があります。

家の一部を過失により壊してしまった場合には、それを修繕する必要があります。
または大家さんに、敷金から修繕してもらう方法もあります。

原状回復のために必要がないものの代表が、まず壁紙の全面張替えです。
壁紙が家を使うと共に汚れていくのは通常使用の範囲であり、
これを回復する義務は入居者にはありません。

ハウスクリーニングについては、契約書に記載されていることがあり、
その場合には入居者が費用を負担しなければならないことになります。

畳の張替えも同様です。
ただこれらも、大家さんが出してきた費用が相場より明らかに高いようであれば、
費用の減額を請求できます。

敷金の返還にあたって、大家さんの言いなりになってしまうと、
本来負担する必要のない費用まで入居者が負担することになりかねません。
明細を詳しく見て、もし納得がいかない点がある場合にははっきりと抗議するようにしましょう。