引越しの挨拶に今でも蕎麦をふるまう!?
昔は引越しをすると向こう三軒両隣に引越し蕎麦をふるまったものでした。
しかし今では、もうその風習はほとんど廃れてしまったと言っていいと思います。
引越し蕎麦とは?
「引越し蕎麦」という言葉を聞いたことがある人も、今では少なくなっていると思います。
実際ある調査によれば、「引越し蕎麦」の意味を正しく答えられた人は45%、
また意味がわからなかった人も45%だったそうです。
引越し蕎麦をふるまったことがある人は6%にとどまるとのことですから、
引越し蕎麦の風習はほぼ廃れてしまったといってもいいと思います。
引越し蕎麦は、江戸時代に江戸で始まったといわれます。
引越し蕎麦は年越し蕎麦とはちがい、引越しをした後に家の人で蕎麦を食べることではありません。
引越し先の向こう三軒両隣に蕎麦をふるまうのが引越し蕎麦です。
蕎麦をふるまう理由は、
「そばに引っ越してきました」
「細く長くよろしくお付き合いのほどお願いします」
という意味が掛け合わされているといわれます。
洒落た風習だと思いませんか?
現在では引越しをすると、向こう三軒両隣には引越し挨拶として
タオルや石けんなどの実用品を配るのが一般的になっています。
込める気持ちは同じですが、品物が蕎麦から実用品へと変わってしまったということですね。
関東・甲信越・東北では認知度が高い
引越し蕎麦の調査は全国で行われましたが、関東・甲信越・東北では、
引越し蕎麦の認知度がやや高いという結果になったのだそうです。
引越し蕎麦はもともと江戸から始まった風習であること、
また甲信越や東北は蕎麦の名産地であることが関係していると思われますが、詳細はわかりません。
引越しにまつわる様々な風習も
全国には、引越しにまつわる様々な風習が今でも残っています。
例えば名古屋では、嫁入りの引越し荷物を積んだトラックは、
どんなことがあってもバックしてはいけないのだそうです。
バックすると「出戻る」ことになり縁起が悪いのだとか。
もし細い道で対向車と出会ってしまい、すれ違うことができない場合は、
謝礼を払ってでも相手にバックしてもらうのだそうです。
また讃岐うどんの名産地香川県では、
引越しが終わった後にうどんを食べるのだそうです。
これは引越し蕎麦とは違って家族が食べるものだそうですが、
家の主人は風呂に浸かりながら食べるのがきまりだそうです。